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近頃ストリーミングで出会った一枚・・・ アルゼンチンの男性ピアニスト(ミュージシャンと云うよりはサン・ファン国立大学教授の肩書が表すとおり学者としての立場が大きいらしい)と女性コントラバス奏者兼ヴォーカリストというなんとも不思議なデュオ・・・ ネットの情報によると四年ほど前にユーチューブで話題になり、デッカ(!)と契約、数枚のEPリリースを経て、これがファースト・カバー・アルバムとのこと。 ストリーミングの無尽蔵に溢れる音源の渦中で一枚分を聴き通せる新譜アルバムと出会うことは、この歳になるとなかなか難しいのですが、これは文句なく「今月の一枚」に選んでおこう・・・ ユニバーサルのHPでデビューのきっかけとなったユーチューブも観ましたが、コントラバスでの弾き歌いはなかなかお目にかかれない・・・ 往年のフォークグループでは見掛けますが、ジャズ系では寡聞にしてこれが初見、フォークロアの世界では当たり前なのでしょうか・・・ このアルバムを最初に聴いたのは数日前にTIDALのMQAファイルで・・・ 今朝から改めて mora qualitas でも見つけて心地好く聴いていたのですが、最終トラック12曲め、キャット・スティーヴンスの en branco estas が終わって椅子から立とうと思ったそのとき、またピアノのイントロが鳴り始めて、あれっ?と思う間もなく日本語の歌詞が聴こえてきた・・・ その歌詞がこともあろうに梶芽衣子が唄う"怨歌"の代表曲「修羅の花」・・・ 聴き進むと、ありゃ、梶芽衣子ご本人の歌声が・・・ PCアプリの画面を確認すると、mora qualitas のバージョンには(Japan Deluxe)とあります。 日本盤向けのボーナストラックだそうで、もともと梶の歌が好きだったカンデ・イ・パウロ側からオファーをしたのだとか・・・ 聴きながら鮮やかに蘇ってきた半世紀以上前の記憶があります。 60年代後半、中学から高校にかけて定期試験前の一夜漬け勉強のお供は「ラヂオ」でした・・・ 普通の中波帯に外国からの電波が溢れていて、特別なBCL用の受信機でなくても様々な放送を受けることができた・・・ 日本向けの日本語によるプロパガンダ放送(モスクワや北京や北朝鮮、BBCやVOAもありました)ばかりではなく、そのときの電離層の状態等によるのでしょうか、何語とも何処の国とも判別のつかない放送もあったり。 当たり前には日本の深夜放送を聴いているのですが、気分転換に敢えてそんな訳のわからぬ放送に耳を傾けたりしていた或夜、どうもアルゼンチンからのスペイン語放送のようで、DJによるリクエスト番組であることがおぼろげながらに理解できます。 聴いたことがない音楽に混じって、突然、スパイダースの「風が泣いている」が流れてきた・・・ びっくりすると云うか、あぁ、そんな処(どんな処かは想像するしかないのですが)でも日本人(もちろんリクエストをしたのはアルゼンチン人かもしれないのですが、当時は日本人以外にはないと確信していたような)がラヂオを聴いているのかと感慨に耽ったことを覚えています。 それにしてもおそらく日本で流行ってからそんなに時間も経っていなかったはずで、リクエストに応えて掛けられるレコードがアルゼンチンの放送局にあったことに驚いたのですが、いま、冷静に考えてみれば戦後二十年を経過し先のオリンピックも経験した60年代、日本人はたくましくあの地でもこの地でも生きていたということでしょうか。 何やら年寄りの琴線に触れるボーナストラックでした・・・ #
by hikosan_y
| 2021-06-07 12:56
| hi-fi
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by hikosan_y
| 2021-06-06 17:21
| hi-fi
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№388
№389 #
by hikosan_y
| 2021-06-05 16:24
| hi-fi
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№385
№386 №387 #
by hikosan_y
| 2021-06-04 13:29
| hi-fi
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№382
№383 №384 #
by hikosan_y
| 2021-06-01 17:59
| hi-fi
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